絶滅の危機にある生き物が、飼育施設から本来の生息場所に「里帰り」したり、別の場所に引っ越したりするのなら、歓迎されてほしい。再導入などの取材をするたびにいつも願うことだ。
2月末、有識者らの検討の上で、本州でのトキの放鳥方針が示された際には、喜びの声が上がった。生態系や地元にも好影響をもたらし、多くの人が「関わってよかった」と感じられたらと思う。
再導入とは、ある地域で絶滅した生き物を人の手で野生に戻す取り組みのことだ。
同じ頃、英国では、かつて乱獲などで姿を消していたヨーロッパビーバーの再導入や管理に関する方針を政府が発表した。その背景や経緯はちょっと極端ではあるけれど、重要な示唆も含んでいる。
環境激変させる生物 ロシア軍の足止めも?
英国は、野生動物の再導入な…